大会概要
「世界のウチナーンチュ大会」とは
沖縄県は、全国でも有数の移民を送り出した県でありその歴史は1世紀を超えます。先人達は海を越え、遠く離れた国で新天地を開拓し、懸命な努力によって困難を乗り越えてきました。各地で生活基盤を築き、異文化社会の中でしっかりと根を下ろしながら、沖縄独自の伝統文化やアイデンティティーを脈々と受け継いできました。前回大会の時点では、世界各国に約42万人の県系人がいると推計されています。
「世界のウチナーンチュ大会」は、沖縄県の貴重な人的財産である世界各地の県系人の功績を称えるとともに、県民との交流を通してウチナーネットワークを拡大・発展させ、さらに母県である沖縄に集い、そのルーツやアイデンティティーを確認し次世代へ継承していくことを目的としています。
同大会は沖縄県や関係機関で組織される世界のウチナーンチュ大会実行委員会が主催し、1990年(平成2年)の第1回大会から概ね5年に1度のペースで開催しており、これまでに6回開催されています。
「第7回世界のウチナーンチュ大会」の概要
「第7回世界のウチナーンチュ大会」は、第7回世界のウチナーンチュ大会実行委員会の主催で実施されます。その実行委員会は、県をはじめとした行政機関及び経済、金融、マスコミ、国際交流、文化等の幅広い民間団体から141名で構成され、2020年(令和2年)9月に発足しました。
また、実行委員会の立ち上げと同時に、沖縄県文化観光スポーツ部交流推進課内に実行委員会事務局が設置されました。
その実行委員会にて、「第7回世界のウチナーンチュ大会」は、2022年度(令和4年度)の開催を正式決定しました。
開催日程については以下の通りです。
(1) 前夜祭:令和4年10月30日(日)
(2) 本大会:令和4年10月31日(月)~11月3日(木)
また、大会が開催される2022年は沖縄県が日本復帰50周年の節目の年を迎えるため、そのことを大会参加者と県民が分かち合えるイベントを検討する予定です。
第7回世界のウチナーンチュ大会基本コンセプト
1大会開催の意義
【沖縄県の移民の歴史】
沖縄県は我が国有数の移民県であり、北米・南米をはじめ世界には約42万人の県系人がいるとされている。戦前・戦後に海外へ雄飛した数多くの県民は、移住先での困難の時代を不屈の精神で乗り越え、堅実な歩みを続けてきた。特に、ウチナーンチュ(県系人)のチムグクル(思いやりの心)は、遠く離れていても強い絆で結ばれ、戦前、戦後においては、仕送りや多くの救援物資により経済的困窮状態にあった故郷沖縄の復興を支えてきた。今では各国社会の一員として信頼を築き、政治、経済、文化、学術等の様々な分野で活躍し続けているウチナーンチュは、海外、県外の地においても、故郷を忘れず、沖縄の文化や精神を大切にし、県人会などでの伝統芸能や三線、空手等の文化活動を中心に、ウチナーンチュとしてのアイデンティティを次世代に継承している。先人たちが創り上げてきたこうした沖縄の文化については、沖縄県においても11月1日を「琉球歴史文化の日」に定め、沖縄の文化の継承と発展を図り、もって心豊かな県民生活及び文化的で活力ある社会の実現に寄与することを目指している。
【世界のウチナーンチュ大会の経緯】
世界に広がるこのようなウチナーンチュのネットワークを確立し、発展させることを目指し始まった「世界のウチナーンチュ大会」は、1990年の初開催以降、これまで概ね5年毎に行われてきた。過去6回の大会では、ウチナーネットワークの構築、双方の社会・経済の発展や活性化、国際交流拠点の飛躍、ネットワークの継承・深化・拡充、新たなネットワークの展開、持続的な継承・発展等を目指し、「ウチナー民間大使」制度の発足、WUBの設立、ジュニアスタディーツアーの実施、ホストファミリーバンクの発足、県民の式典参加や、世界若者ウチナーンチュ事務局の立ち上げといった成果を生み出してきた。
さらに、海外29ヶ国・地域から7,353名、国内603名が参加し過去最高の規模となった前回大会では、10月30日を「世界のウチナーンチュの日」に制定するとともに、世界若者ウチナーンチュ大会の沖縄開催が実現した。ウチナーンチュ大会は、様々な形で、ウチナーネットワークの継承・発展のためにその役割を果たしてきた。
この世界に誇るべきウチナーネットワークは、人的交流、情報共有、ビジネス交流に留まるものではなく、2019年の首里城焼失の際に国内外県人会等から温かい支援が多数寄せられたことに現されるように、チムグクルやユイマール(相互扶助)の精神に基づいた強固な絆として受け継がれ発展し続けている。
【第7回大会の理念】
第7回世界のウチナーンチュ大会は、ウチナーネットワークの更なる発展への期待と同時に新型コロナウイルス感染症の影響が残ることが想定される中行われる。コロナ禍において我々は人と人との絆や繋がりの大切さに気付かされたことに鑑み、来県参加者のみならず、来県が叶わない国内外ウチナーンチュ等にも各地からの参画を求めていく。
また、復帰50周年の節目に行われる本大会を国内外に広く周知・発信し、これまで大会の存在を知らなかった層も含め、大会の意義や成果についてのより深い理解と世界に広がるウチナーネットワークへの更なる協力を求めていく。
本大会は、沖縄を思う心やアイデンティティ等で繋がる類い稀なるウチナーネットワークの強固さを今一度確認し、継承・発展を図るとともに、沖縄独自のソフトパワーを発信し、その魅力の活用に加え、ICTをはじめとした最新技術の活用による持続可能な交流・協力を実践し、沖縄のみならず各地の発展に寄与することを理念とする。
2大会の目的
「第7回世界のウチナーンチュ大会」は、以下の基本方針に基づいた事業を行うことにより、ウチナーネットワークを継承、発展させるとともに、ソフトパワーや最新技術の活用による持続可能な交流・協力を実践し、沖縄のみならず各地の発展に寄与することを目的として開催する。
3大会基本方針
- 復帰50周年の節目に行われる本大会において今一度、ウチナーネットワークの大切さ、強固さを確認し、県民との交流促進、未来を担う次世代育成等を通して、その継承・発展を図る。
- 交流や協力の基盤となる平和の重要性を発信する等、SDGsの理念に沿いながら、万国津梁の精神の下、沖縄のみならず各地の発展に寄与する。
- コロナ禍の影響等で来県が叶わない国内外ウチナーンチュ等が参加できるようオンラインを含めた大会の複合的開催の展開とともに感染症対策を徹底した安全・安心な大会とする。
4イベントプログラム目標
- ウチナーネットワークを維持、継承、拡大し、ウチナーンチュ同士の絆を深め、アイデンティティーを確認する
例示前夜祭パレード、開会式、閉会式、グランドフィナーレ、市町村歓迎会、移民資料展、文化芸能交流イベント、スポーツ交流イベント - 沖縄独自のソフトパワー(文化、伝統芸能、歴史、言語、風習、風土、信仰、自然)への理解を深め、次世代へ継承、発展させる
- 県内若者が県外海外に目を向けるきっかけを提供し、海外への飛躍を促す
例示 ジュニアスタディツアー、海邦養秀ネットワーク構築事業、世界若者ウチナーンチュ大会、レッツスタディワールドウチナーンチュ、海外移住者講演会 - 異文化、世界の多様な価値観に対する理解を深め、国際協力、平和を希求する沖縄の心(チムグクル)を発信する
例示 レッツスタディワールドウチナーンチュ、ワールドバザール、チャンプルー交流祭、経済・国際交流・国際協力に関するシンポジウム、平和交流イベント、沖縄平和賞授賞式、国内外報道機関への働きかけ、ウチナーネットワークを活用した周知・発信 - 国際観光地としての「オキナワ」や県産品の魅力を理解する
例示 産業まつり、市町村観光案内、伝統工芸品の紹介・ワークショップ(工芸の杜の活用)、ResorTechOkinawa - 最新技術を活用したオンラインイベントを積極的に導入して持続可能な交流・協力を実践する
例示 臨場感あふれるリアルタイムな双方向交流イベント、主要イベントライブ配信、アーカイブの作成SNSを活用した積極的発信、動画ライブラリによる情報発信・共有